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多孔板を製作し効果を確認すべきである。しかし、この場合は孔径0.6〜0.7mmとなり燃焼器を構成する耐火材の粉末にて孔詰まりを発生する恐れが有り、実質の効果確認に至らなかった。
(2)旋回流試験
旋回流付き燃焼室(図3.2-12、図3.2-13)を使用して、その効果を確認した。
ヒータメタル温度と模擬ヒータに通す4ヶ所の冷却空気出入口温度差を示したのが図3.2-23、図3.2-24である。■印が図3.2-12燃焼室に対し◆印が図3.2-13燃焼室である。投入燃料量が少ないが、これら二つの燃焼室共に周方向の温度分布が大幅に改善されていて上下の温度差≦100℃である。この事が冷却空気の温度差からも伺える。この二つの燃焼室を比較すると◆の噴出孔湾曲型の効果が顕著であることが明白である。この顕著な効果を持つ噴出孔湾曲型旋回流燃焼室と多孔板の性能の差違を比較したのが図3.2-25である。旋回流燃焼室は、ヒータメタル温度と吸熱量比に関して初期の目標に既に到達しているがCOの排出が多く、この燃焼では凝縮系にガスを通すことが出来ないため実用化不能である。また、噴出部が偏り且つ噴出速度が早いため、噴流衝突部分がホットスポットを形成するため、信頼性に欠ける等が予想される。
そこで旋回流型燃焼室の燃焼改善を次に実施した。先ず、旋回流型燃焼室の燃焼悪化原因として考えられるのは、
?一次燃焼室内圧力が上昇し写真3.2-1で示すガス圧による灯油供給方式では十分な差圧が取れず霧化が悪化する。
?一次燃焼室と二次燃焼室を仕切っている隔壁が圧力と熱で移動変形するためバーナと一次燃焼室の相対位置がずれて空気導入が阻害される。
等である。なお、ホットスポット対策としては、噴出孔数を増加させ均等化をはかることが主な対策である。
この改善対策を示したのが表3.2-7〜表3.2-9である。対策の主たるものは次の通りである。
?噴孔数を15〜36に増加した。。
?噴射圧の高圧化とスワラー式バーナの採用
?隔壁の固定
?吸い込みダクトの設置
等である。
試験結果を図3.2-26〜図3.2-28と表3.2-10〜表3.2-11にまとめている。
表3.2-10の左端が改善前の湾曲型噴孔を持つ旋回流燃焼室である。右端が全体策を折り込んだ最終仕様である。定格幸での燃料燃焼量でCOが50ppmであり燃焼が極めて良好である。右端から2番目は最終仕様とバーナのみが異なる場合でCOが100ppm程度であるだけでこちらも目標の燃焼性能を大幅に改善している仕様である。最終仕様の場合は、燃焼器圧力5MPa、右端から2番目の仕様は燃焼器圧力7MPaの結果であり5〜7MPaの範囲ならば燃焼上は問題ない事を示している。
表3.2-11ではヒータメタルの上下温度差が5MPaと7MPaで100℃以下

 

 

 

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